単独でツーリングすることを「ソロツーリング」と言いますが、それに対して複数人でツーリングするのが「マスツーリング」です。
「マスツーリング」の「マス」とは英語の「mass(集団、大量)」で、特に何人という決まりはありません。
ただ、2人では少ないので、少なくとも3台以上でのツーリングをマスツーリングというのではないでしょうか。
マスツーリング初心者にありがちなのが、先を行くライダーに離されてしまい、急いで後を追おうとすることです。
集団で走っているのに一人だけ遅れてしまっては、焦る気持ちは当然でしょう。
マスツーリング初心者なら「迷惑をかけてはいけない」という意識も強く働くのではないでしょうか。
しかし、焦りは禁物です。
早く追いつこうとしてついつい大きくスロットルを開けてしまうと、前から来る右折車や横から来る車や歩行者に対応できないことがあります。
また、前の人との間に別の車に入られるとその車を追い越したくなります。
間に車が入れば前のライダーとの距離が離れるので、先ほどと同様に焦りに駆られるからです。
しかし、無理やり追い越そうとするとこれも事故につながってしまいます。
ふだんの走行なら決してそんな無茶はしない人でも、集団で走っていて自分だけが遅れてしまうとどうしても焦りからこういう無茶をしてしまいがちなのです。
初心者の場合、いくら周囲の人が「無理せずマイペースで走っていいから」と言っても、離されるとやっぱり焦ってしまいます。
その結果とても危険な運転をしてしまいかねませんので、初心者でマスツーリングに参加する場合、もしくは自分のマスツーリングに初心者が参加する場合は特に注意しましょう。
初心者が安全にマスツーリングを走るなら、まずは定期的にマスツーリングを開催しているようなショップのツーリングに参加してみましょう。
初心者の気持ちもよくわかっているプロですから、ベテランがちゃんとサポートしてくれます。
仲間内でのマスツーリングに初心者が参加する場合、ベテランを初心者の前後に配置し挟み込むように走りましょう。
先頭がベテランなのは、全体のペースや後続を見つつ適度に休憩を入れたりなど判断する重要な立場なので当然です。
気をつけたいのは、最後尾もベテランライダーが走ることです。
最後尾なら後ろを気にせずマイペースに走れるから初心者でもいいかと思いがちですが、そんなことはありません。
最後尾も、前方の様子を見つつ先行して車線変更をしたりなど重要な役目があります。
それに最後尾で離されると、いくらマイペースでいいと言われても、初心者の場合やっぱり焦ってしまいます。
焦りが禁物なのは再三述べたとおりです。
焦らなくてもいいように、全員がインカムを装着してはぐれても連絡が取れるようにしておくのもよいでしょう。